「サンデーうべ」掲載 医療クエスチョン? No.11
Q.インプラントの治療日数
患者様の希望は、インプラント治療がすべて一日で終わることであり、我々も一日で終わることを目標にしています。すなわち、抜歯即時インプラント埋入、即時過重(最終義歯装着)であります。しかし、すべての症例が治療終了とはいきません。
インプラント埋入時、インプラントの骨内安定性(固定性)は骨の形態、骨質によって、またインプラント体の形態(直径と長さ、筒型、くさび状型)によっても異なっており、治療日数が長くなったりします。
現在では、ほとんどの症例において、インプラント埋入後、対合歯噛み合わないように仮歯を作製し、2〜6週間後に上部構造を作製していきます。従って、上部構造を装着し終わるのは4〜8週間後なります。特に前歯の場合、審美性の問題から、インプラントを埋入したその日に必ず仮歯を装着して帰宅してもらいます。
インプラント治療がインプラント治療がインプラント体と骨が直接接着する術式に変わった直後はインプラント埋入後、上顎で半年、下顎で3ヶ月待ってから上部構造を製作していました。それではあまりにも治療時間が長くかかりすぎるという患者様の苦情で、インプラント体の表面性状および形態が改良されて、今日の即時インプラントが可能になってきました。
骨が不足して、骨造成のために骨補填剤を使用する場合、例えば、上顎洞内に骨を造成する場合、半年経過後にインプラント体を埋入しています。したがって、上部構造を製作し終わるまでには約8ヶ月必要であると思ってください。
山根歯科医院 院長
山根 進
「サンデーうべ 掲載(平成22年8月27日)」